第1話: 普通に接してもらいたいだけなのに
第2話: 記念日の憂鬱
第3話: からあげの味
第4話: グリーフってどういう状態?
最後に: 保護者の皆さまにお伝えしたいこと
~ご自身ことも大切にしてください~
〇企画立案:大矢健人
〇監修:一般社団法人グリーフサポート研究所 橋爪謙一郎
僕は⼩学5年⽣のときに⺟親を⼼筋梗塞で亡くしました。それはあまりに突然のことで、先の⾒えない暗闇に突然放り込まれたような気分でした。
僕が当事者として、マンガでグリーフについて伝えようと思った最大の理由は、⾃分がマンガ好きだったことと、絵と⽂字から成るマンガの良さを⽣かせば、重く捉えられがちなテーマでもわかりやすく伝えられると思ったからです。
また、グリーフサポートの活動をしていた時に、⺟親を亡くした⼤学⽣の⽅と話す機会がありました。その中で、僕は⺟親を亡くしてからの⽣活で感じたことを話しました。すると彼⼥はとても共感してくれてお互いの経験をいくつも話しました。共感してもらえることの嬉しさを知ったその時の経験が、今回のマンガ制作にもつながっています。
僕の実体験を知ってもらうことで、大切な人を亡くした人には、自分以外にも同じような経験をして同じように感じている⼈がいること。身近に死別体験をした友達がいる人には、友達が家族を亡くして元気そうに見えても実はそうじゃないことだってあること。一人ひとり感じていることが違うことを知ってほしいと思います。
これをきっかけにグリーフについて勉強してみたり、この冊子をお守りがわりに持ち歩いてもらって構いません。それぞれ抱く感情、グリーフが違うように、この冊⼦を皆さんに合わせて有意義に使っていただければ嬉しいです。
大矢健人
当時高校3年生だった大矢健人くんから、「グリーフ」について話が聞きたいと連絡を貰った時に、どんなことで役に立てるのか正直検討もつかない状況でした。しかし、大切な人を亡くした経験をしている若い人たちに、何か一緒にできることがないかと色々と話し合いをしながらできあがったのがこのマンガ冊子です。
大切な人や存在をなくした時に、色々な感情や思い、考えが溢れ出てきます。しかし、若者だけでなく、多くの人がそれを知らないことで、どう対処して良いか分からず、自分の心にフタをして我慢をしていることがあります。
この冊子を読んで、大切な人を亡くした時の「グリーフ」という状態を知って、自分のことが理解できると、1人で我慢せずに自分がして欲しい「助け」を求めることができるようになるでしょう。そして、友達のことが心配で何かしてあげたいと思う人は、まず話を最後まで聴いてあげて、受け止めて欲しいと思います。さらに「グリーフ」のことを知って相手を傷つけたり、お互いに必要のない気遣いをせずに、手助けできるようになると思います。
1人で我慢して頑張る必要のない社会になるように、この冊子が必要としている方の手元に届くことを心より願っています。
グリーフサポート研究所 代表理事 橋爪謙一郎
【製作にご協力くださった企業様】
私学妙案研究所・株式会社日能研関東
子どもたちのへのグリーフサポートのため、
本冊子の印刷、学校への配布において
多大なるご協力をしてくださった企業様に、
心より感謝申し上げます。